おうちでもできる!アメリカ発の美術鑑賞教育法『VTS』
みなさん、こんにちは!
先週7日に二十四節気のひとつ「大雪」を迎え、
いよいよ本格的な冬がやってきます。
これからはクリスマスやお正月など、
楽しいイベントが目白押しで気も緩みがちですが、
新たな変異株が見つかった新型コロナウイルスや、
インフルエンザなども心配な時期です。
感染症対策にはより一層気を付けながら、
冬のイベントを楽しめると良いですね♪
さて、ママ職ブログではこれまでに、
様々な教育の取り組み方についてご紹介してきました。
例えば、
(エディブル教育)
などになりますが、
みなさんはどの内容が印象に残っているでしょうか?
お時間のある時にでもぜひ、上記リンクから、
過去のブログを読み返してみてください♪
そして今回も、“美術鑑賞教育法『VTS』”という、
これまでとはまた違う教育法をご紹介したいと思います!
こちらもぜひ最後までご一読いただき、
子育ての参考にしていただければ幸いです。
★アメリカ発!“美術鑑賞教育法”とは?
美術鑑賞教育法=VTS(Visual Thinking Strategies)とは、
ニューヨーク近代美術館の教育部部長フィリップ・ヤノウィン氏と、
認知心理学者のアビゲイル・ハウゼン氏が、
1980年代に開発した教育法で、
以前のブログでもご紹介した「STEAM教育」の
“A(Art)”の部分でもあります。
具体的には、絵画などの作品の解説や
キャプションなどによる情報に頼らず鑑賞し、
純粋に“作品から自分が何を感じるのか”を、
講師や他の鑑賞者同士で対話する、というもので、
日本語では「対話型鑑賞」とも訳されます。
今ではアメリカやヨーロッパをはじめ、
世界中の教育現場で採用されていて、
近年では、日本の教育現場や各地の美術館などでも
取り入れられるようになりました。
(himawariinさんによる写真ACからの写真)
このように、VTSが様々な国の教育現場で
取り入れられるようになった理由はというと、
どうやらVTSがもたらす“効果”に答えがあるようです。
★どんな効果が期待できる?
では、VTSがもたらす効果とは、
具体的にどのようなものなのでしょうか。
VTSでは主に絵画などのアート作品を鑑賞しますので、
美術への造詣を深めることができるのはもちろんなのですが、
そこに他者との自由な“対話”が加わることで、
「観察力」「批判的思考力」「コミュニケーション力」
などの複合的な能力を伸ばす効果があることが分かっています。
なぜこのような効果が期待できるのかというと、
アート作品が、鑑賞者の心を写す鏡のような役割を果たすからです。
例えば、同じアート作品を2日続けて鑑賞したとしても、
その日・その時の鑑賞者の心のありようによって、
そのアート作品から見えてくる世界や物語は違ってくると思いませんか?
このように、美術鑑賞を通して自分自身の心や価値観と向き合い、
そこから見えてくる世界や物語を他者に伝えたり、
逆に他者の世界観を受け入れたりすることで、
複合的な能力が育まれ、自己理解と他者理解にもつながるのです。
(月舟さんによる写真ACからの写真)
でも、VTSをはじめるには少しハードルが高そう…
と思っている方、ご安心ください!
実はおうちでも、簡単に取り組むことができるのです♪
★おうちでVTSを実践するには?
まずは、アート作品となるものを準備しましょう!
といっても、美術館にあるような額縁入りの絵ではなく、
おうちにある絵本や、お子さんが描いた絵や作品などでもOKです。
どんなものを準備すれば良いのか見当もつかない…という方には、
次のような絵本や、アートカードもおススメです。
(小学館ホームページより)
(東京国立近代美術館ホームページより)
鑑賞対象となる作品さえ準備できれば、あとは簡単!
作者や作品の情報なしに、1つの作品をじっくり純粋に見ましょう。
その後、VTSでキモとなる、次の“3つの問いかけ”をするだけです。
1. この作品の中で、どんな出来事が起きているでしょうか?
2. 作品のどこからそう思いましたか?
3. もっと発見はありますか?
これら“3つの問いかけ”によって、
子どもたちの可能性がどんどん広がっていきます。
もちろん、質問をする側の私たちも、
子どもたちと同じように考え、伝えましょう。
質問しあったり、伝え合ったりすることで、
お互いの複合的な能力が高められますよ。
(十月さんによる写真ACからの写真)
いかがでしたでしょうか。
「美術鑑賞」というと、なんとなく敬遠しがちですが、
子どもたちが描いた絵や作品でもOKとなれば、
気軽に取り組めそうですよね!
また、今回ご紹介した“3つの問いかけ”は、
普段の何気ない親子の会話にも活かせます♪
お子さんとアートに触れる際にはもちろん、
普段の生活の中でもぜひ、参考にしてみてはいかがでしょうか。
≪参考≫
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