江戸時代の粋な演出!判じ物の世界
みなさん、こんにちは!
いきなりですが、ここでクイズです。

こちらの画像は、ある言葉を表しています。
一体なんだと思いますか?
正解は『構わぬ(かまわぬ)』です。
鎌+輪+ぬ=かまわぬ だそうですよ。
『火も水もいとわず身を捨てて弱き者を助ける』という
心意気を表すデザインが始まりだそうです。
七代目市川團十郎がこれを気に入ってよく使ったことで
大人気の模様になったのだとか。
現在でも、男性の浴衣などの模様によく使われています。
このように、洒落が利いている絵柄は
『判じ絵』と言って江戸時代頃からよく見られました。
今回はそんな面白い判じ絵をご紹介したいと思います!
●判じ絵の歴史
判じ絵の発祥は、平安時代と言われています。
と言っても、確実なことがわかっているわけではなく
平安時代に、既に同じような遊びがあったことがわかっている
というだけだそうです。
江戸時代に、浮世絵での判じ絵が出回ったことで
庶民にも楽しまれるようになったそうですよ。
当時は「なぞ」と呼ばれていたのだとか。

ちなみに、『判じ絵』はその名の通り絵で謎を表したもので
『判じ読み』というのが文字で謎を表したものだそうです。
別名『字謎』というそうですが
総称して『判じ物』とも言います。
●数字が表す食べ物は?
それでは早速、判じ物で遊んでみましょう。
『十三里』は、何かの食べ物を表していますが
なんだかわかりますか?
答えは『サツマイモ』です!
焼き芋屋さんなど、サツマイモを取り扱うお店が掲げていたそうで
『栗より美味い』ということを表しているのだそうですよ。
なぜ『十三里』なのかというと、
『九里(くり)四里(より)うまい十三里』という
9+4=13をかけたダジャレなのです。

こちらには、別の説もあって
江戸の日本橋からサツマイモの有名な川越までの距離が
およそ十三里だったので『十三里』と呼ばれるようになった
という説もあります。
ちなみに、『十三里』ではなく
『十三』と書かれた看板もあったそうですが
こちらは何だと思いますか?
先程の理論で考えると、9+4=13ですので
答えは『櫛(くし)』屋さんです。
そのまま櫛と書くと『苦(く)死(し)』を
連想させるとのことで、『十三』と表記していたとか。
どちらにしても、面白いですよね。
●現代にも続く判じ物看板
さて、再びクイズです!
『春夏冬中』
この文字はいったい何を表しているものでしょうか?
今でもお店で使われているので
ご存知の方も多いかもしれません。
こちらは『商い中』つまり、『営業中』という意味です。
なぜそうなるのかと言うと
春・夏・冬があって、秋がない→あきない
これに『中』がついているので『商い中』となるわけです。
ちなみに、ここに『二升五合』とついていることもあります。
『二升』とは升(ます)が2つ重なっているので「ますます」。
『五合』は『半升(はんじょう)』ともいい
これを合わせて『ますます繁盛』となります。

銭湯では、板に『わ』
その裏に『ぬ』と書かれたものがあったりします。
これは『わ』+板=わいた
つまり、お風呂が沸いた=営業中で
裏は『ぬ』+板=ぬいた
という意味で、閉店を意味するのだそうです。
同じように、銭湯では弓矢が引かれたものが
軒先に飾られているところもありました。
これは、弓射る=ゆみいる=ゆにいる=湯に入るという
連想をモチーフにした看板なのだそうですよ!
弓の看板は最近まで使われている銭湯がありました。
こうした看板は江戸時代には他にも色々あったそうで
文字が読めなくてもわかりやすいということもありますが
町中にこうした看板がたくさんあったと思うと
街歩きも楽しそうですよね!
いかがでしたか?
現在でも大人にも子どもにも謎解きが人気ですが
江戸時代では身近なところにこうした「なぞ」が
沢山あったのかと思うと楽しいですよね。
今回ご紹介した判じ物の看板や
判じ絵などは、まだまだたくさんあります。
判じ絵のクイズが楽しめるサイトや本を
最後にご紹介しておきますので
お子さんと一緒にぜひ楽しんでみてくださいね。

【参考】
Commentaires