相手の気持ちがわかるようになる?『心の理論』って何
みなさん、こんにちは!
今日6月13日は『小さな親切の日』なのだそうです。
1963年(昭和38年)、東京大学の卒業式の告辞で
総長の 茅誠司氏が「小さな親切を勇気をもってやってほしい」
と言ったことがきっかけとなり、
6月13日に「小さな親切」運動本部が発足したのだそうです。
梅雨の時期、お家にいることが増えるので
家族がそれぞれを思いやり、「小さな親切」が出来ると良いですよね。
さて、小さいとはいえ人に親切にするというのは
相手の気持ちになって、
どうしたらいいのかを考えることではないでしょうか。
ではそうした相手を思いやる気持ちは
一体どうやって育っていくのでしょうか。
今回のママ職ブログでは
そんなお子さんの心の成長について見ていきたいと思います。
●心の理論ってなに?
我が子には他人の気持ちがわかる子になってもらいたい
と、思っている方も多いのではないでしょうか。
相手を思いやる心や、人の心の痛みがわかるといったことは
相手の気持ちを考えられる優しさを持っているということですよね。
発達心理学において、『心の理論』というものがあります。
『心の理論とは、他者の心を類推し、理解する能力である』
と、定義されているように
まさに、相手の気持ちを考えることなのですね。
普段、私たちは『心の理論』を意識しないで使っています。
だからこそ、社会生活において
人との関りがスムーズにできているとも言えるのです。
●問題をひとつやってみよう!
では、『心の理論』はいったいいつ頃芽生えるのでしょうか?
難しいことを色々言っても、よくわからないですよね。
ここでひとつ、簡単な問題を出してみます。
ぜひチャレンジしてみてください!
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・
サリーとアンは同じ部屋にいます。
サリーはビー玉をバスケットの中に入れ、部屋を出て行きました。
サリーが部屋にいない間にアンはビー玉をバスケットから箱に移しました。
サリーは部屋に戻ってきました。
サリーはビー玉を取り出すために、最初にどこを探すでしょう?
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・
さて、問題の答えですがみなさんおわかりのように
答えは『バスケット』です。
サリーはアンが箱に移したことを知らないので
サリーの立場になって考えれば答えはすぐに出ますよね。
これは『位置移動課題』といいます。
登場人物は、サリーとアンでなくても良く、
バスケットや箱も違うものでも構いません。
国や文化の違いなどで変更されることもありますが
主にサリーとアンで使われているので
通称『サリーアン課題』とも言われています。
紙芝居や人形劇などで、この様子を子どもたちに見せ
問題を出すことが多いです。
この問題を3歳に出すと、ほとんどの子の答えが「箱」となるのに対し
4歳以上の子どもは「バスケット」と答えるのだそうです。
●どうしたら思いやりの気持ちは育つのか
3歳頃と言えば、幼稚園や保育園でも年少さんに当たる頃ですよね。
お友達や先生と関りを持つことが多いのに
相手の気持ちが良くわかっていない、というのはちょっと驚きますよね。
逆に言えば、3歳頃の子どもは喧嘩などのトラブルも多いですよね。
それは相手の気持ちがわからないからこそ、
トラブルになりやすいのだと言えます。
だからと言って、喧嘩を全くさせないようにするというのは
かえって逆効果です。
噛みついたり、叩いたりといった相手に危害を加えないよう見守り
なぜ嫌なことなのか、どうして相手は怒ったのかということを
自ら気付くことによって
相手の立場で物事を考えるという土台が出来てきます。
また、ついつい言ってしまいますが
「お友達には優しくしようね」
「他の人に迷惑になるから静かにしようね」というのも
3歳以下の子どもは相手の気持ちがわからないので理解できません。
「おもちゃを貸してほしいときは貸してと言おうね」
「お家じゃないから、お口チャックだよ~」というように
具体的に伝えることで、理解しやすくなりますよ。
いかがでしたか?
今回ご紹介した『サリーアン課題』以外にも様々なテストがあります。
発達障害や自閉症、アスペルガーなどの診断に使われることが多いので
答えられなかったうちの子大丈夫?!と思ってしまう方もいるようですが
私たちが自然と行っている「相手を思いやる」ということは
かなり高度なことなのです。
サリーアン課題などのテストはあくまでも目安であり、
答えられなかったからダメというわけではありませんので
安心してくださいね。
お子さんの身体の成長だけではなく、
心の成長もぜひ一緒に楽しんでみてください。
【参考】
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