知っているようで知らなかった!日本の伝統文化『お盆』
みなさん、こんにちは!
そろそろお盆休みのシーズンがやってきますね。
今年もコロナ禍で、お盆休みの過ごし方にも
いろいろな工夫が必要になってくるかと思いますが、
みなさんはどのように過ごされるご予定でしょうか。

(cheetahさんによる写真ACからの写真)
ところで、『お盆』とはよく言うものの、
その由来や意味などを知らないままに、
毎年なんとなく過ごしていませんか?
恥ずかしながら、筆者もそのうちの一人です(汗)
そこで今回のママ職ブログでは、『お盆』について、
子どもたちにも伝えられるように、
少し詳しく掘り下げてみようと思います!
★まずは『お盆』の由来から!
亡くなった人や祖先の霊が、この世に帰ってくるとされている『お盆』。
家々で先祖霊をお迎えし、お墓参りをしたりお供え物をしたりして、
おもてなしすることがメインの行事です。
ではなぜこのような行事を『お盆』と言うようになったのでしょうか。

(涼風さんによる写真ACからの写真)
これには諸説あるようなのですが、
仏教用語の「盂蘭盆会(うらぼんえ)」の略だとする説があります。
これは、古代インド語のullambana(ウランバナ=「大変な苦しみ」の意)
が語源だと言われていて、この「盂蘭盆会」の行事では、
逆さ吊りなどの苦しみを受けている死者の供養のため、
祭りを行うのだそうです。
日本では、この「盂蘭盆会」と、日本古来の「祖霊祭(※)」とが
一緒になって、民間に普及していったものとされています。
※「祖霊祭」とは…先祖の御霊に感謝をささげ、
今後もお守りいただくようお祀りをすること。
★いつから始まった?時期は?
前述した「盂蘭盆会」は早くから日本にも取り入れられていて、
古いものではなんと、推古14年(606年)の記録が残っているのだそう。
このころは毎年7月15日に行われていたようですが、
近代に入り新暦に移行した後は、農作業の繁忙期を避けるため、
1か月遅れの8月に行うところが多くなったようです。
一般には、13日の夕方から「迎え火」でご先祖様の霊をお迎えし、
16日の夕方に「送り火」でお見送りするまでの間、
お墓参りをしたり、お供え物をしたりすることとされていますが、
その時期や内容は、地域によって必ずしも一定ではありません。
★よく見るお供え物の意味を知りたい!

(@nyaoさんによる写真ACからの写真)
お盆の時期になるとよく見る、キュウリやナスのお供え物。
実は、霊が訪ねてくるときの乗り物としての馬や牛を表していて、
来るときは馬(キュウリ)に乗って少しでも早く、
帰る時は牛(ナス)で少しでもゆっくり、
という気持ちが込められています。
また、ほおずきは「鬼灯」とも書き、
帰ってくる霊のための灯りとされているそうですよ。
★あの「踊り」にも意味がある?
近年は見かけることが少なくなったかもしれませんが、
お盆の時期によくやっていた、夏祭りでの「盆踊り」。
実は、霊を迎え慰め、そして送るための踊りだとされていて、
あの世の朝にあたる夕方から踊り始め、
あの世の昼の間中(この世では夜通し)踊ってしっかり供養するのだとか。
唄と踊りは各地でそれぞれにあり、昔の形が残っていて有名なものには、
岐阜県郡上郡八幡町の「郡上踊り(ぐじょうおどり)」や、
徳島の「阿波踊り」などがあります。

(makoto.hさんによる写真ACからの写真)
いかがでしたでしょうか?
はるか昔から続いている、日本の伝統文化『お盆』。
こうしてみると、いろいろなところに細やかな心遣いが表されている、
他に類を見ない行事だということに気付かされます。
今年はまだコロナ禍で帰省できないご家庭も多く、
形式的なことができないかもしれませんが、
ふるさとを思い、ご先祖様を偲ぶだけでも、
『お盆』を有意義に過ごせるのではないでしょうか。
そして、『お盆』をはじめとする日本の伝統文化や年中行事の豊かさを、
子どもたちに少しずつでも伝えていけたら、とても素敵ですね。
≪参考≫
・萌文書林編集部 編『〈新訂版〉子どもに伝えたい年中行事・記念日』